毎年、パチンコや買い物中に、意図的に子供を車に置き去りにして、子どもが死亡してしまう、という悲しい事件は後を絶ちません。
さらに近年では、意図的ではなく、車に子どもを乗せたまま存在を忘れて置き去りにしてしまう事故も目立ちます。
最近起きた事象であれば、
『朝、父親が子どもを車に乗せて保育園に送りにいくべきはずが、子供を車に乗せていることを失念して、そのまま会社へ行ってしまった』とか、
『孫を乗せたことを忘れて帰り駐車し、数時間後に用事があって出かけようとしたときに車内の孫に気付いた』
などというものです。
この事故を聞いて、あなたはどう思いましたか。
子どもを忘れるなんてありえないと思う人が多いのではないでしょうか。
たしかに、毎日子どもを送り迎えしている人なら、子どもを乗せていること自体を忘れるなんてありえないと思う人も多いと思います。
しかし、
- 月に数回しか送り迎えしない人だったら
- たまたま運転中に仕事の電話が来て気をとられていたら
- たまたま子どもが寝てしまって声が聞こえなかったら…。
そう考えると誰もが100%、絶対に忘れないとは言い切れないかもしれません。
Contents
コミュニケーション不足が生んだ、思い込みによる置き去り
子どもを車内に放置してしまう原因は失念だけでなく、コミュニケーション不足からの勘違いや思い込みが原因の場合もあります。
実際に起きたある事象は、妻が夫に「子どもを保育園に送って行って」と頼み、夫は長男を車に乗せましたたが、その後妻が長女を車に乗せたため、夫は妻が2人を送っていくのだと思いこみ、頼まれていたことを忘れてしまいました。
妻は夫に頼んだので、大丈夫だと思い込んでいたようです。
そうして、お互いが相手が連れて行くのだと思い込んだまま別々に外出。
子ども二人は車の中で置き去りということになりました。
夫婦で最後に一言でも、どちらが送っていくか確認しておけば、こんなことにはならなかったはずです。
実は、事故の前、夫婦は喧嘩をしており、いつもより言葉数が少なく、コミュニケーションが十分にとれていなかった、という情報も当時の記事には掲載されています。
この事象で実際にどうだったかはわかりませんが、夫婦間のコミュニケーションはとても大事であり、言葉にしなくても伝わっていると思い込むのはとても恐ろしいということがわかります。
日本だけじゃない、世界でも起きている子どもの車への置き去り
子供の車への置き去りは日本だけではなく、世界各国でも起きています。
しかし、国によって、置き去りに対する罰則は違っています。
日本では置き去りにするだけでは罪に問われないケースが多いですが、アメリカでは、たとえ短時間でも子どもを車の中に置き去りにしてしまうと、虐待と認定され逮捕されてしまう可能性があります。
実際、小さな子どもを車の中に置き去りにして、10分ほど買い物していた母親が逮捕されたこともあります。
日本でも、これくらいの罰則があれば、意識しやすくなるのかもしれません。
失念や、勘違い、思い込みなど、人の無意識な判断が招いた悲劇によって子どもが亡くなることは、子どもはもちろん残された家族にとっても、とても辛いことです。
あの時、代わりに別の誰かに送っていってもらえばよかった、後部座席を見ていればよかった、子どもが寝ずに起きていれば…。
このような後悔をしないように、今日からできることを始めましょう。
子どもを置き去りにしないためにできること
子どもを車に置き去りにしないために、今日からできるちょっとした工夫をご紹介します。
助手席に子どものカバンや荷物を置く
子どものカバンや荷物は、ついつい後部座席に置きがちですが、これを助手席に置きます。
後部座席は、意識的に見ることがあまりありませんが、助手席であれば意識的に目に付くので、子どもの存在を認識することができます。
助手席に自分のカバンを置いている人は、自分のカバンの上に子どもの物を置くと良いですよ。
たとえ、子どもが乗っていることを忘れてしまっていても、子どもの荷物で思い出すことができます。
自分のカバンや荷物を後部座席に置く
前述で紹介した、「助手席に子どものカバンや荷物を置く」の反対バージョンです。
子どもの荷物がない場合は、自分のカバンや荷物を後部座席に置いて、必ず後部座席を確認する状態を作ります。
ルームミラーを子どもが見える位置に調整する
後部座席にいる子供が見える位置にルームミラーを調整します。
ルームミラーに子どもが映っていれば子どもの存在を忘れる確率が低くなります。
子どもを送ったことを、誰かに連絡する
たまにしか子どもを送る機会がない場合は、忘れないように、子どもを保育園などに送り届けた後に、夫や妻など家族に連絡するようにしましょう。
万が一、送った本人が忘れてしまっていても、連絡をもらう側の人が連絡がないことに気づければ、長時間放置の危険はなくなります。
家族間でコミュニケーションをとる
誰が子どもを送って行くのか、家族でしっかりと話合いましょう。
特に、いつもとは違う人が送る場合は、しっかりと話をして、誰が送るのか明確にさせるようにしましょう。
習慣づけて車内放置を阻止する
このような些細なことかもしれませんが、子どもの命を守ることにつながります。
常に、これらの行動を習慣づけ、これ以上悲しい事故が起きるのを防ぎましょう。
小さい子どもがいる方は、ぜひ今日から試してみてください。
そして、家族間、友人知人、ご近所などで、こういった情報の声かけ・周知をしていきましょう。